2012年12月14日金曜日

心ゆたけくして物とあらそはず

 上手な料理人が牛を解体するときには、刀の刃こぼれは起きないそうだ。牛の骨と骨の間には、刃に比べれば充分な空間があり、そこを逃さず捌くことができれば刃こぼれなんざぁ起しゃしないらしい。19年間牛を裁き続けて、刃を研ぎに出したことがないという名人料理人の話が荘子のなかで語られている。

 生きていくうえでも、心を広く豊にもって、周囲と無理に争うことなどせず、理にしたがって行動していれば、世の中との軋轢なんざぁおこりゃせず、広い天地を進んでいけるよ。

 そんな風に生きていければ、その人はきっと長生きできるね。

 それにしても、益軒さんの養生訓は、どうも人生訓のようだね。

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